こんにちは!港北区日吉駅近くの大久保ピアノ教室です。
バイエルは、ピアノの入門用教本として長いこと使われてきた教材であり、今でもその名を知っている方は多いと思います。
ちいさいころにピアノを習っていたお父さまお母さまの中には、バイエルを使っていたという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
改めてここではバイエルのメリットデメリットについて見てみたいと思います。
バイエルの良い点
- 段階的な学習で基礎力が確実に身につく:
非常に細かいステップで、音符を読む力、指の独立、リズム感といったピアノ演奏の基礎をしっかり学ぶことができます。一歩一歩着実に進めることで確実に力がつくと言われています。
それぞれの練習曲が特定の技術(例:指の強さ、スタッカート、レガートなど)の習得に焦点を当てていて、効率的に基礎固めに役立ちます。
- 構造的な理解を深めるのに役立つ:
和音やリズム、音階といった音楽を構成する基本的な要素が分解して提示されています。これにより、音楽の「仕組み」を構造的に理解するための土台を築くことができます。
- 初見演奏の練習になる:
曲想の変化が比較的少ないため、初見演奏に使うことができます。
- 保育士や幼稚園教諭を目指す方に適している側面:
右手でメロディ、左手で伴奏というスタイルの曲が多く収録されているため、伴奏付けや弾き歌いの基礎練習になります。特に保育士や幼稚園教諭を目指す学生にとってメリットとなります。
バイエルの良くないとされている点
- 単調で飽きやすい:
曲にタイトルがなく、番号だけの連続であることや、メロディラインやハーモニーのバリエーションが少なく、似たような曲が続くため、特に子どもの生徒にとっては面白みに欠け、練習へのモチベーションを維持するのが難しいとされます。
音楽的な表現の幅が狭く、曲としての魅力に乏しいと感じる人が多いです。
- ヘ音記号の習得が遅れる傾向がある:
両手ともト音記号の期間が長く、ヘ音記号(特に左手)の学習が後回しになるため、ヘ音記号を読むのが苦手になる生徒が多いと指摘されています。
- 左手の成長に偏りがある:
左手の動きが伴奏形なことが多く、メロディを弾いたり、複雑な動きをしたりする曲が少ないため、左手の技術的な発達が右手に比べて遅れる傾向があります。これにより、左右の手のバランスが悪い演奏になりやすいという指摘があります。
- 現代の教材と比較して見劣りする点:
現在は、カラフルな挿絵や、聴覚的にも楽しめる音源付きの教本、あるいは子どもの興味を引くような物語性のある教本など、工夫を凝らした多様なピアノ教材が多数出版されています。これらと比較すると、バイエルは視覚的・聴覚的な魅力に乏しく、時代遅れだと感じられることがあります。
私はバイエルを今もレッスンで使っていますが、バイエルが合う生徒とほかの教本のほうがいい生徒がいると思っています。
そこは目の前の生徒にとってどちらがいいのかを私なりに考えて使うようにしています。
とてもむずかしく責任の伴うことですが、バイエルに限らず教本の良い点悪い点をまず理解することがとても大切だと思っています。
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